母なるブサキ寺院!!
2016/03/23
Odalan(オダラン)
という言葉を耳にしたことがありますか??
オダランとは….
バリ語で寺院の「建立祭」=「お寺のお誕生日」を指します!!
バリには、2万以上のも寺院があると言われ….そのそれぞれで建立祭が開催される為、
1年中、毎日、どこかの寺院で、オダランが行われていると言われています。
その数あるオダランの中でも、バリ ヒンドゥー教徒が一番大切に思い、そして必ず参加したい!!
と思うのが、
バリ ヒンドゥー教の総本山 Besakih(ブサキ)寺院のオダランです。
3/23 満月を迎える今日から、そのブサキ寺院のオダランが華々しくスタートしました。
正装に身を包み、お供え物を携えた参拝者が次々とやってきます。
参道も華やかに飾られています。
ここで少し話がズレますが….
バリ人を含むインドネシア人には、基本、苗字(氏)=ファミリーネームというものは存在しません。
バリ人の間では、「使われない」が正しいかもしれません。
例えば、Lilacita の代表 ニョマンの名前は
I Nyoman Pimpin Ardika
で、これが全て名前になります。
「I」はスードラの男性を意味し、(女性は「Ni」となります)
「Nyoman」は第三子を意味し、(第七子もNyomanとなります)
「Pimpin Ardika」がいわゆる一般的に個人名となります。
パスポートや重要な書類でも名前のみを使います。
しかし、バリ人には、皆それぞれ、使われないけれど苗字(氏)が存在します。
ニョマンの場合は、Pasek(パサック)という苗字(氏)を持っていて、
これはバリでは一番一般的な、数の多い苗字(氏)の一つです。
バリ人の一般的な生活の中では、苗字(氏)はほぼ使われる事はないのですが、
唯一、苗字を意識する時があります!!!
それが、ブサキ寺院に参拝する時なんです。
バリ ヒンドゥー教の総本山 ブサキ寺院は、30余の寺院の集合体で、
ヒンドゥー教徒の参拝者は、まず自身の「氏神」が祀られた寺院を参拝します。
そうです!!
ここで、唯一、苗字(氏)の存在を実感するのです(笑)
こちらはPasek(パサック)の寺院での参拝風景です。
つまり、ここで参拝をしている人々は、皆、パサックさんです!!
建立祭初日の日中は、学生さんが多かったです。
こちらも皆さん、パサックさんです!!
パサックさん….本当に多いです(笑)
パサックの氏神が祀られた寺院の後は、いよいよメインの寺院へ向かいますが…..
その前に、ブサキ寺院内にある中国仏教の寺院にも参拝しました!!
こちらは商売繁盛や子孫繁栄を願う寺院。
これからも、たくさんのお客様にバリの魅力をご紹介できますように…
とお祈りしました!!
さてさて、今度こそメインの寺院へ。
メインの寺院では、「氏」に関係なく、全ての人が参拝をします。
寺院前のスペースにびっしりと、すごい数の参拝者です!!
皆、祈りを捧げる為だけに、何時間もかけてブサキ寺院までやってきます。
荘厳な雰囲気と神秘的な空気感が、身を引き締めてくれます。
ちなみに、バリヒンドゥーの参拝では、お香やお花、ヤシの葉で作ったお供え物が使われます。
お祈りの後、それらは、そこに置いていく…? 捨てていく….?
のが一般的で、これだけの人数が参拝したら……
想像がつきますよね?
ブサキ寺院のオダランでは、地元の人々が24時間体制で、参拝の後のお掃除をしてくれていました。
参拝者が去って、次の参拝者が来るまでのわずかな時間に手際よく、
掃除をしてくれていました。
こうした地元の方々のお陰で、母なる寺院 ブサキ寺院は護られているのです!!
また、オダランならではの華やかなお供え物も、全て地元の人々によって準備されています。
これら全て米粉を使った練り物で手作りされています!!
お供え物の形や色には全て意味があり、芸術作品といってもいいほど素晴らしいです!!
今は、着色料が使われていますが、昔は全て自然の色で作れられていました。
バリの人々は、神の恵みに感謝して、供える物には、時間とお金を惜しみなく使います。
それは、この世に存在する全ての物が神から頂いた物であり、
それをありがたく頂き、そして、お供え物としてお返しするという精神からです。
バリ ヒンドゥー教ってすごいですよね!!
ブサキ寺院は、バリ ヒンドゥーを代表する象徴的な寺院であり、
今までに3回、インドネシア政府から世界遺産候補のリストの打診がありました。
しかし、寺院と地元住民が猛反対し、断念せざるを得なかったそうです。
その反対理由は、
「世界遺産に登録されると様々な規制がかかり、バリ ヒンドゥー教の寺院として、不都合が生じるのではないか?」
ということでした。
バリの人々にとって、ブサキ寺院は神聖で、かつ身近な存在であるべきで、
まさ「母なる寺院」
という事ですね!!